Magazine

【月刊BOSSISM】2020年7月号

【月刊BOSSISM】2020年7月号

不況の時こそメリハリ
経営者が持つべき先を見る力

東レ社長
日覺昭廣氏

「雇用の問題は国の責任だと思っている大企業の経営者がいたら、ビンタですよ!」

リーマンショックの渦中だった2009年、こう語ったのは東レ名誉会長だった故・前田勝之助氏。経団連企業をはじめ大手が軒並み派遣切りや人減らしに走るなか、「企業は社会の公器」として雇用の維持を前面に掲げたのが東レだった。

時は巡って今年の新型コロナウイルスの影響はリーマンショックを超えるとも言われ、厚労省によると解雇や雇い止めにあった働き手は2万人を超えたという(6月5日現在)。雇用情勢は急速に悪化しており、就職氷河期の再来を危惧する声も上がっている。そんななか、やはり社を挙げて雇用を守れと手を尽くしているのが東レだ。

5月13日に長期経営ビジョン「TORAY VISION 2030」、中期経営課題「プロジェクト AP-G 2022」を発表、28日には2020年3月期決算の発表とともに21年3月期見通しも発表した。多くの上場企業が先行き不透明として見通しを出し渋るなか、東レは堂々と数字を掲げてきた。決算では必ずしもよい数字が並んだわけではないが、企業として明確なビジョンを打ち出した形だ。

「報酬を1割下げてでも東レのスタンスは守る」と語る東レ社長の日覺昭廣氏に、東レの経営計画と企業哲学について話を聞いた。(取材日は6月1日、聞き手=経営塾フォーラム事務局長・児玉智浩)

 

1年間で7000件!
企業と雇用を救う補助金・助成金を活用せよ

グランドツー社長
出口グラウシオ氏

4月7日に発令された新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言。この日をきっかけに日本企業の多くの経済活動が止まった。宣言から3日後の10日には東京都が各業種に休業、あるいは営業時間短縮を要請。都は要請に協力した事業者に対し、「感染拡大防止協力金」の支給を決定した。しかしながら各自治体の財政状況によって補償額にバラ付きが出るなど、全国自治体から国に対して損失補償を求める動きが強まっていった。

厚生労働省は25日になって雇用調整助成金の特別措置の拡大を発表するなど、1日刻みで各補助金や助成金の扱いが変化していく状況になった。そして多くの企業が混乱したのが「自分たちは補償の対象内なのか、対象外なのか」が一目でわからない複雑さだった。いざ申請するにも、いままで作ったことがないような提出書類の数々に、経営者は頭を抱えたに違いない。事業規模が小さくなるほど、その傾向は強くなる。帝国データバンクによると、今年の倒産件数は1万件を超すと予想されており、自主的な休廃業は2万5000件に達するという。

経営者、そして企業の雇用を救う道はないのか。補助金・助成金情報を企業に提供するツール「情報の泉」を運営するグランドツー社長の出口グラウシオ氏に話を聞いた。(取材日は6月2日、聞き手=経営塾フォーラム事務局長・児玉智浩)